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『アイアムアヒーロー』を読んで現代日本のリアルの怖さに気づく

2011年01月10日
『アイアムアヒーロー』という漫画がある。



 ビッグコミックスピリッツに連載されており、現在第5巻まで刊行されている。感染ディズアスターもので、ある日突然正気を無くし、人に噛みつくようになった人間が現れ、その人に噛まれると同じ症状を発症してしまう。簡単に言うと映画に出てくる一般的なゾンビと同じだが、ゾンビは腐ってもろいイメージがあるのに対し、こちらは生の人間が怪力で疾駆する異形のものに変化している。主人公の鈴木英雄は漫画家志望の中年でパッとしない生活を送っていたが、彼の彼女が感染し、職場の仲間も感染し、なんとか逃げている最中に出会った女子高生・早狩比呂美と行動を共にするが...といったストーリー。正直、1巻は面白くなくて読むの止めようかなと思ったりもしたのだが、2巻以降化けた

 この漫画の怖さは2つある。1つ目は「人を死に至らしめるような奇病のパンデミックとその罹患者の行動」で、2つ目は「現実を正しく認識しようとせずどこか対岸の火事のような気分でいてしまう人たち」である。1つ目は独特のコマの演出を使って描かれているのだが、これについてはマンガLOG収蔵庫のきくちさんが記事を書かれていますのでこちらを参照して下さい。というわけで、この記事では2つ目の怖さをタイトルにある様に現代社会のリアルと絡めて書いていきたいと思う。

 現代の生活で、例えば、多くの人が行き交う繁華街の道端で誰かが倒れていたとする。おそらくあなたは無視して通り過ぎるか、酷い場合には野次馬となって携帯端末で写真なんかを撮ったりするかもしれない。立ち止まって声をかけ状況によれば救急車を呼ぶなんて事が出来る人はまれだ。でも、これが誰も通らない所で苦しんでる人がいれば無視できない。「誰かがどうにかしてくれているだろう」、「きっとそれほど大事には見えないから大丈夫だ」という心理は集団の中においてこそ発揮される。ここで、昔はよかったなんて事を言いだすつもりは全くなく、これが”リアル”だという事を考えて欲しい。私がこの漫画を読んでいて怖かったのはまさにその”リアル”さだ。未曾有の災害に襲われているのに状況を正しく理解しようとせずなんとなくみんなで行動している人々がグロテスクに見えてくるのだ。というわけで、そんな1コマを下に張る。
アイアムアヒーロー
このシーンは標高の高い所に行けば感染しない”らしい”という人づてに聞いた確証のない情報を元に何となくみんなが言っているからという理由だけで行動する人達である。このコマのほかにもこうして群衆がぺちゃくちゃ緊張感なく喋っているシーンがこの漫画ではよく出てくる。この怖さは独裁主義の社会で何の疑いも持たず独裁者を信じ、仮想敵国に対して憎悪をぶつけているのをテレビで見る感じに似ている。ジョージ・オーウェルの『一九八四』での”二分間憎悪”の描写を読んだ時に感じたことが近いかもしれない。

 日本人は集団から逸脱することを嫌う。小学生のころからこのことを徹底的に教えられ、出る杭を打つ。それがこのような感染型パニック時には裏目に出る。そのことの怖さを『アイアムアヒーロー』では描いているのではないだろうか。

 ところで、話は変わるが漫画なら『アイアムアヒーロー』、『学園黙示録HSoD』、映画ならロメロ作品などなどを見て感染ディズアスターものが好きになったという人にお薦めしたいのが、マックス・ブルックスの『World War Z』である。

ゾンビ好きの人なら知っているかもしれないがこれがめっぽう面白い。『このミステリーがすごい!』でもランクインしており、ブラッド・ピット主演で映画化されることが決定している。内容は世界規模で発生したゾンビ病とそれが原因で起こったパニックとを、事態が収束したのち、その間世界で何が起こっていたかを色々な人にインタビューしていったものを書くというもの。ハンパない出来なので、是非読んでみてはどうだろうか?

というわけで、今回は『アイアムアヒーロー』について書いてきたわけだが、いかがだったでしょうか?まだ上手く文章が書けないので、文章があっちいったりこっちいったりしてるかもしれないが、ご容赦を。ご意見・ご感想をお待ちしています。それではまた次の記事で...!
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