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カップルが2組いれば4通りの恋がある。『楽園 Le Paradis vol.8』を読もう!

2012年03月15日
 ずいぶんお久しぶりの更新になってしまいました。この2~3カ月いろいろな事がありまして、モチベーションがどうしても上がらなかったのです。Twitterのほうでは簡易感想なんかを呟いておりますので、フォローして頂けると幸いです。

『楽園 Le Paradis vol.8』
 久々の更新ネタは、拙ブログでは定番のコンテンツとなりつつある『楽園 Le Pardis』の感想です!掲載されている全ての漫画のレビューを書く元気はないので、とりあえず、3つほど、特にわたしが気にいっている作品をピックアップしてレビューしたいと思います!それでは、ご覧あそばし!


 と、その前に今号の表紙から入りましょう。シギサワカヤさんによるイラストです。
 
 黒髪ロングの女性が橋の手すり(?)のような構造物に、足をあらわにしてまたがり、なにか花を咥えているというシチュエーションを描いたものです。
 なにを咥えているのか気になったので調べてみると、
シギサワカヤさんの公式ブログで言及があり、ハクモクレンという名前の花だという事が分かりました。
 ハクモクレンの花は、独特の強い香りを放ち、朝日が昇る頃に花を開き、日が沈む夕方ごろ(つまり逢魔が刻)に花を閉じるそうです。
 昼から夜へと変わる時間帯、濃い香りのする閉じかけた花びらを咥えている大人の女性…、なにかいろいろと想像が膨らみますが、そうですね...。一言で表すなら、エロい!エロいですね!素晴らしいです。

・中村明日美子『あらためましての月曜日』
 私の大好きな漫画家さんの1人である中村明日美子さんによる、中学生の恋愛模様を描いた漫画です。

読んだこと無い人のために、すごく大まかにあらすじを説明しておくと...、

 主人公は女子中に通うアコちゃんと、共学に通う小平くんの2人。
 アコちゃんは以前に、恋というには少し未熟な、ほのかな恋心の芽生えとでも表現すればいいでしょうか?そういったものを年上でしかも妻子ありの男性に対して抱いていました。
 残念ながらその恋は実らずに終わったのですが、その初恋が破れる瞬間を、偶然居あわせた同じ塾に通っている小平くんに目撃され、その後ちょっとなれなれしいくらい親しく接してくる小平くんとお話しするようになりました...。

というあらすじ。

 さて、今回は新キャラが登場します。その子の名前は持田華絵(愛称:もっちー)という同年齢の女の子で、容姿に言及すると、アコちゃんが”可愛らしい”なら、もっちーは切れ長の眼でたっぱがあり、ちょっと男勝りな所をみせる”美人”さんです。彼女は、小平くんのことをなんと幼稚園の頃から好いていて、小平くんが通うフットサルクラブに足しげく通っては、2人の関係を幼馴染から恋人同士にシフトチェンジさせたいなと思っている純情乙女なのです。いいですね、一途な乙女!私は大好きです。しかし、幼馴染の弊害でしょうか?小平くんの前ではどうしても素直になれません。

 そしてどうしても素直になれない自分を女子会でもって相談するのですが、そこで友達Aより、とある密告がなされます。それは「わたし塾で小平くんと一緒なんだけど、小平が下の名前で呼んでいる女子がいるんだけど...。」というもの。

 これは一大事だということで、もっちー一行はアコちゃんをファストフード店に誘い出し優しく質問攻めにします。このいろいろと質問していく一連のシーンが、本当に素晴らしかった!

 アコちゃんに小平くんと付き合っているかどうかを質問していくもっちーは最後にいろいろと感情が高ぶったんでしょうね。涙を流し小平くんへの想いを伝えるんですが、その涙のなんと美しくて純粋なこと!胸にジーンときました。

 こんなにも深く他人に恋している状態ってのはどんな感じなんでしょうね?しかもただでさえ多感なお年頃に。きっと夜も眠れないときがあるんだろうなあ。その人のことを考えただけで心臓がバクバクしたり、いざ目の前に立たれるとドギマギしてなにも出来ないんだろうなあ。素敵です。キラキラしてます。

 さて、そんなことがあってからの塾の日。涙を流すもっちーに深く心を揺さぶられたアコちゃんは小平くんに「わたしたちつき合ってもないんだから、あまり親しくしないで」というようなことを告げます。すると小平くんはこう返します。

「じゃあ、つき合っちゃう?」    (P.27より抜粋)


 ここの場面の絵の描写とコマ割りがまたまた素晴らしい。

 2人は駅のフォームで上記の会話をしていたのですが、小平くんが発言をしたときアコちゃんは顔の下半分だけしか描かれてない。そこに電車が入ってきて、パッとアコちゃんの顔にピントが合うと、泣いてるんですね。そして、ドアが開き、降りる乗客によって引き裂かれる2人。電車に乗ったアコちゃんと、ホームに置き去りをくらった小平くん。やってしまったという感じで頭をポリポリと掻きます。このあたりの描写は、わたしの文章の力量では悔しいですが表しきれません。

 そしてラスト。ここでも読んでるこっちの顔が思わずほころびそうになるアコちゃんの表情が拝めます。ここでどんなことがあったか説明してもいいんですが、どうしてそういう顔になったかは是非購入して確認してみてください。至高です。守りたくなります。
 でもわたしは今回の話で一気にもっちー推しになったので、もっちー頑張れ!というか、俺んとこに嫁にこなイカ?

・黒咲練導『彼女実験』
 黒咲さんの作品で、『楽園 Le Paradis』にこれまで掲載されてきた作品は、体液が垂れ流され、エロスが際立つように誇張された肉体をもって描かれる、フェティッシュなエロと不安な心情とが混在する漫画がほとんどだったのですが、今号では趣向がちょっと違います。

 舞台は高校の科学部(おそらく)。先輩と後輩の2人(便宜上、先輩ちゃん・後輩ちゃんと呼称)しか居ない部室で、彼女たちは”ナメクジはワープするか”という、なんというか迷信を先輩ちゃん主導で調査しようとするのですが、さすがにこれには後輩ちゃんが反対。科学的でない、いわゆる”
悪魔の不在証明”だとかなんとか。
 すると部長でもある先輩ちゃんが言うんですね。

「無駄に思えることでもいろいろしてみるのも大切かなって」
「私は… そう思うんだけど」
「だめ…かな」            (P.83より抜粋)

 この一連の言葉がこの作品では非常に重要なキーワードになってのちの展開を暗示しています。

 実は先輩ちゃんはレズビアンで後輩ちゃんのことが好きだったのです。そして、3年生の先輩ちゃんは卒業も迫ってきたから一歩踏み出そうと決意します。しかし、想いが先走ったのか、一足飛びの行動は後輩ちゃんに拒絶されます。先輩ちゃんはただ謝り、しばらく部室に顔を見せなくなります。

 そしてある日、ナメクジの入った水槽をなにか鬼気迫る表情で見つめる後輩ちゃんが待つ部屋に、先輩ちゃんが現れます。先輩ちゃんは後輩ちゃんに心の傷を負わせてしまった、もしくはキモチワルイ行動をしてしまったという自責の念があり、なるべくさっさと引き上げようとします。
 すると後輩ちゃんが、厳しい表情で先輩ちゃんに詰め寄ります。「あなたは勝手だ」と。「まだわたしの答えを聴いてないじゃないか!」と。鬼気迫る表情は、先輩ちゃんに迫られたことをずっと自分なりに考えていたからなんですね。

 普通のゆる~い百合漫画ならこれで互いがキスして、安いキャプションのついた繋いだ手をアップにしたカットで終わるのでしょうが、そこは黒咲練導さん。一筋縄ではいきません。

 この漫画のラストではセリフがほぼありません。表情で全てを語っていきます。

 この先どうなるかも含めて全てを分かっている先輩ちゃんの表情、同性愛者の苦悩も読みとれます。
 考えた末に出た行動が浅はかだったことに、そしてさらに先輩ちゃんを傷つける結果になったことに気付いた後輩ちゃんの顔には羞恥と後悔が見てとれます。

 最後のページ、”あること”を言った後輩ちゃんの頭を撫で、名残惜しそうに親指と人差し指で髪の毛に触れ去っていく先輩ちゃんと、膝から崩れ落ちる後輩ちゃんを描いた横並びの3コマ。背景をあえて描かないことで、人物が強調され、むき出しのざらざらした感情が心をやすりにかけます。

 百合漫画は大好きでいろいろなエンディングを見てきましたが、これは切ない!先ほどの中村明日美子さんの『あらためまして月曜日』の時に感じた胸の苦しさとはまた異なる胸の苦しさがおそってきます。

・林家志弦『思春期生命体ベガ』
 久々に林家志弦さんが楽園に還ってきました!マリみて同人から林家さんのことを知って以来、ファンなんですよね!嬉しい限りです。
 
 『思春期生命体ベガ』。なんとも変わったタイトルですが、内容はどのようなものかというと、

 西暦2030年、地球に2種類の地球外生命体が現れた。一方は怪獣、もう一方はなりゆき上地球を守ることになった正義の超人ベガ(地球名:琴平ベガ)。この琴平ベガ(以下、ベガ)は光線・巨大化・飛行の能力を持つウルトラマンみたいな生命体なのですが、普段は人型の女子高生。
 その彼女がある時、上記の能力を失くして、さあ大変。そしてその失った能力を取り戻すには同じ高校に通う鷲峰先輩(女性)からキスして貰わなければならないということになって、すったもんだを繰り広げる百合コメディ。

 といったところです。

 なぜ怪獣が出るのか、ベガがなぜ地球に来たのか、なぜキスをすれば力が復活するのかなどの謎はまだほとんど明らかになっていませんが、アップテンポで進むストーリーは、笑いとシリアス、そしてラブロマンスがバランスよく混ぜあわされていて、とにかく面白い。

 先ほど、なぜキスをすれば力が復活するのかは謎と書きましたが、理由の一部は分かっていて、それは何かというと、ベガが鷲峰先輩に恋してるからなんですね。鷲峰先輩のほうも憎からずベガの事を想っているのですが、怪獣が出現する度にキスするという事務的な作業にちょっと不満を抱いています。しかもベガは宇宙から来たので地球人の常識というか恋のワンツースリーのことを理解しきれていない所がある。
 でもベガの強みはその無知!地球人なら照れて言えないような事でも、ストレートに感情をぶつけてくるわけです。そうなってくると鷲峰先輩としても悪い気はしない。
 例えば、今回の話でも、ベガが鷲峰先輩に対して、こんなことを言うシーンがあります。

 「あ ここんとこ慌ただしくて言えてませんでした
  先輩 2週間前に髪切りましたよね
  メチャクチャ可愛いです 手帳の日付に五重に花丸つけたくらい」 (P.263~264から抜粋)

 このセリフを言ってる時のベガの天真爛漫な笑み!そしてそれを聞いている鷲峰先輩の猛烈な照れっぷり!どんぶりで白飯3杯はイケます、はい。

 しかし、そんな蜜月の日々を過ごしていた2人の関係にヒビを入れる人物が登場します。その人の名前は、アリーデ・スワン。ハリウッド女優で映画のジャパンプレミアのために来日していました。アリーデはどうやらベガのことを昔から知っているらしく、街頭のテレビで映されるベガの活躍をみて、なんだか不満げです。

 そんなある日、いつものように鷲峰先輩にキスしてもらってから怪獣を倒しに出掛けました。その帰り道、最近いつもよりエネルギーの消費量が多いことに不安を述べ、ヘロヘロになりながら、愛しの鷲峰先輩の待つ学校へと向かっていました。
 すると突然アリーデが現れ、ベガに向かってアルファナイト(ベガの力のもとである腕にはまっている石。ちなみに”ベガーンベガーン”と鳴ります。)が衰弱していること、自分がそれを治してやると告げ、いきなりベガにキスしてきます。

 いっぽう鷲峰先輩は「ベガの家にでもよるか」とルンルン気分で校門を出るのですが、そこで目にしたのはアリーデとキスをしているベガ。それだけならまだ良かったのかもしれませんが、アリーデからキスをされたベガは、鷲峰先輩とのキスでは回復しなかった能力”巨大化”を回復してなんだかとても嬉しそうに振舞ってしまいます
 これにはさすがにカチンときた鷲峰先輩。カバンをベガにぶつけて、啖呵を切り怒って帰ってしまう…、というところで今回は終わります。

 …なんという生殺しッ!鬼畜の所業ですッ!「なんだよ、ここで終わりかよ!」と1人ゴチてしまうほどの引き。くそぅ、上手いなぁ。
 というわけで、今後いったいアリーデとどういう展開を見せるのか?ベガは星に帰ったりするのか?などなど興味が尽きない作品で次回が待ち遠しいです。



 というわけで、いかがでしたでしょうか?久しぶりという事で気合いを入れて書いたら思いのほか長くなってしまいましたが、楽しく読んでもらえたでしょうか?
 「ここがイマイチ」「もっとこうして」「こういうことをもっと掘り下げて欲しい」などの意見がございましたら、コメント欄かTwitterにでもコメント下さい。まだまだ文章を書くという事に関して初心者なので意見は貴重なのでございます。

 それでは、また次の更新でお会いしましょう!さよなら、さよなら、さよなら(淀川長治風に)。

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