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綺麗な屍体のお姉さんは好きですか?熊倉隆敏『ネクログ』を読もう!

2011年08月28日
 残暑厳しい中、皆さんいかがお過ごしでしょうか?先日、私も話題のゲリラ豪雨に遭遇致しまして、「何だよ。目的地に辿りつけないじゃん!」とブーたれてたのですが、雨でぐしょぐしょに濡れたセーラー服を着た女子高生5人組がキャーキャー言いながらスカートや靴下を絞ってるのを見たら、もう全てが報われた気がしました。いいですね…、なんかもう透けちゃったりしてて…、フフフ。
 さて、そんな幸せな場面に遭遇するなら夏も悪くないなと思ったので更新しまーす。

・熊倉隆敏『ネクログ』
 アフタヌーンに連載されていた『もっけ』は、民俗学の知識に裏打ちされた日本の妖怪や呪いと、霊媒体質の姉妹の成長物語を時にユーモアを交えて真正面から描いた傑作だったが、今作で熊倉氏が描くのはチャイニーズゾンビ、つまりキョンシーの話である。
 舞台は中国。時代はおそらく19世紀後半。田舎の地主の息子である主人公の宋玉生(ソン・ユーシェン)にはほのかな恋心を抱く憧れのお姐さん薛(シュエ)がいたのだが、家庭の事情により富豪の家に嫁ぐことになってしまう。しかし、婚礼の最中を狙った賊に襲われてシュエは誘拐され、その後行方不明となってしまう。時は流れ、大人になったソンはしがないフリーの物書きとして働いていたが、ある時、行方不明になったはずのシュエと偶然再会する。けれども、シュエは当の昔に死んでおり、胡才良(フー・ツァイリャン)と名乗る道士が操るキョンシーとなっていた。これを哀れに思ったソンは反魂の術でシュエの魂を冥界から呼び寄せる術を身につけるためフーの弟子になることを決意するのだが...、というのが大まかなストーリー。
 もうこれが本当に面白い!というわけで、どこが特に面白かったかを2つ挙げてみよう。どのような漫画なのかが少しでも伝われば幸いです。


1.仙術を使ったバトルが凄い!
仙術とは簡単に言えば中国版魔法みたいなもので、道教の道士が仙人になるための修行の最中に覚えなければいけない様々な術のことである。フジリューの『封神演義』では主に宝具(パオペエ)を使ってバトルをしていたが、『ネクログ』ではもっと、いかにも仙術らしい方法で闘うのである。キョンシーである白杏(パイシン、フーがシュエにつけた名前)も操り人形として闘うのだがこれが物凄く強い。相手が人間なら手刀で首を切断できるくらいのパワーがある。まさにキリングマシーン!そしてフーもかなりの仙術の使い手で(一時期、太上老君に師事していた事もある)、道士の間での闘いはまさに奇奇怪怪なものとなっている。ゴーレムを召喚したり、相手が幾本もの鋭い槍で攻撃してきたら体を泥上にしてスルリと貫かせ、触手で捕縛されたら水になって抜け出す。そういった一連のバトルは、まさに仙術を使った闘いのイメージそのものでカッコいいのだ!
ちなみに・・・
ネクログ_02
普段はこんなに可愛らしいシュエ姐さん(※屍体です)も、いざ戦闘になると・・・
ネクログ_01
敵の首を手刀でザクーッ!

2.様々な思惑の絡んだストーリーに惹き込まれる!
 前述の通り、ソンはシュエのことを不憫に思い反魂の術をフーから学んで、現世にシュエを戻してあげようという思いからフーに師事しているが、フーがなぜソンを弟子にしたのは情にほだされたからではない。実はフーは、冥界からの頼みで、鬼録(生者がいつ死ぬかが書かれている記録帳)の不手際、つまり死ぬべき人間が死んでいないのを隠すために冥吏(道教版死神)の手伝いをしているのだ。フーが担当しているのは主に仙術を悪い事に使っている道士が相手のようだが、フーも善意から手伝っているわけではない。フーの首には首輪が太上老君によりかけられており、本当の自分の力を発揮できない様にされている。この首輪を外したいフーは冥吏の使いっ走りをして冥界の最高神である泰山府君に老君への口添えをして貰おうというわけなのである。なので物書きで情報通でもあるソンは手元に置いておくと便利なのだ。
 そして1巻の最後で出てきた道士の菅橙子(チェン・チョンツ)。フーとは随分昔から知り合いの様で、下界に降りてきたばかりのフーをもてなしてやったりもしたそうで師匠風を吹かせている。しかしチェンはフーが冥吏の使いをやっている事が気に喰わないらしく、太上老君の元にフーを連れ戻そうとする。このチェンがまたお騒がせ者で、フーと道術比べをしたり、ソンをフーの所から追いやろうとしたりと勝手気ままに行動する。しかし根の所ではフーの事を心配しているようだ。

ネクログ_03
童女のような外見だが、彼(彼女)に性別・種族は関係ないので注意だ!
 そして2巻では、師の仇を討つために行脚をしている道士見習いの蘇秀梅(スー・シウメイ)が出てくるのだが、これがまたドジっ子で可愛らしくて健気で、まだまだ腕は半人前の恥ずかしがり屋だが、基本的に困っている人は見捨てておけない善人なので、悪鬼と悪行渦まく『ネクログ』の世界の癒しとなっている。今後彼女の兄弟弟子も出てきそうなのでまだまだ目が離せない人物である。
ネクログ_04
まだまだ修行中だが、雷を落とす術を使う。ちなみに語尾は”だっちゃ”ではない。

 というわけで、おおまかに2つの『ネクログ』の面白い所を紹介してみたが、いかがだったろうか?この漫画は本当にお薦め!まだ2巻しか出ていないので、謎の部分も多いが『もっけ』に引き続き、とても深い知識を元に漫画を描かれているのがヒシヒシと伝わってくる良い漫画なので、ゾンビファンは言わずもがな、ひいてはホラーファンのみならず、みなさん是非読みましょう(でもグロテスクな描写があるので、そういうのが心底苦手な方は避けた方が賢明でしょう。少し嫌い程度なら大丈夫です、たぶん)!
 ちなみに2巻の巻末オマケでは今作をより楽しく読むための志怪(中国の六朝時代の小説)が紹介されていて、大変助かる。是非何冊かは読んでみたい。



 それではまた次の記事で...!
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