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『ミラーボール・フラッシング・マジック』を読んで女心の機微を知ろう!

2011年04月17日
 ブログを更新して他の人にお薦めしたいほど好きな作品にはよく出会うんですがなかなかネタが思いつかない。そんなすっかり春めいてジャケット一枚羽織るだけで外出できるようになった折り、やっぱりこの漫画家の作品はレビューしなくてはこのブログの存在意義が問われるので更新しますよ!


・ヤマシタトモコ『ミラーボール・フラッシング・マジック』
 やはりヤマシタトモコさんの作品は当ブログとしては外せない。なぜならヤマシタさんの描く漫画が大好きだからだ!シリアスからギャグ、大人の恋愛から青春活劇まで。とても幅広く活躍されており、間違い無く、いま目が離せない漫画家の一人である。

 今作は7つの短編からなる短編集なのだが、どの作品も好きだ!でも全部紹介するには気力が足りない!という訳で、その中からいくつかピックアップして紹介していきたいと思う。(※ネタバレ全開なので、その辺の配慮は各自よろしくお願いします)

・「うつくしい森」
 男子高校に新しく赴任してくる美術教師が女性だということに生徒は色めき立つも、実際に赴任してきた教師は女っ気の少ないでかいしいかつい女性・柳だった。大半の生徒がガックリ来るなか、主人公の森口は完全に心を奪われて日々フェティッシュな妄想を彼女でするのであった・・・。
 男子校出身の方なら分かると思うが、男子校には本当に女性教師がいない。養護教諭や家庭科の先生に50がらみのオバさんがいるだけである。そんな中若い女性が赴任してくると知ったなら、とりあえず赴任してくるまでは間違いなく祭りである。休み時間に話されるのは、どのアイドルに似ているかという願望丸出しの話と、おっぱいが大きいかどうか、いけない関係になれるかどうかの3つであると断言できる。あの頃の俺たちのエロに対するリビドーは銀河美少年を大きく引き離すほどだった・・・。
 昔話はさておき、森口は美術に興味があったせいか、周囲が完全に「あいつは無い」という結論に達しつつある中、柳に完全に魅了される。友人が「柳がいつも長袖を着ているのは腋毛を処理していないからだ」というエロガキ特有の揶揄を耳に挟めば、その夜、風呂に入りながら妄想の中の柳に自分の願望を話させ、自らの産毛を触って赤面したりする。また「ヌードデッサンしてくれないですかー?」といきがる生徒へ「やる気無いのは分かってるから、せめて黙ってろ」と返す柳に対して、トゲのある一面を知った日には、腋、舌、おっぱいにトゲが生えている彼女を妄想するのであった・・・。
 この短編には本当にゾクゾクさせてもらった!自分もフェティッシュな性癖があるのでもう直球ドストレートで興奮した!男っぽいガサツな服装に言葉使い、キツイ眼差しに太い眉、大きな体。舌や胸、腋にトゲが生えてる妄想のシーンなんて皮膚が泡立つような興奮を覚えた。また男子高校生のはちきれんばかりの蒼い気持ちが描かれている点も素晴らしかった。この感じを共有させるのは僕の文章力では難しいので、とりあえず一枚ペタリ。雰囲気を少しでも感じて頂けたら幸いです。ヤマシタトモコ_01


・「ミラーボール・フラッシング・マジック」
 表題作でもあるこの作品は少々変わった趣向がこらされている。それは、同じ時間、同じ場所で起こった4つの異なるカップルの話をある出来事を共通点にして描いてあるということだ。なのでここでも、その一つ一つを追っていきたい。

[Part1]冒頭から口論するカップル。女の方は「男が会ってくれないから他の男に抱かれた、悪いのは私じゃなくてあなた。前もあったけどそれはいいじゃない!」と頭の悪いビッチ丸出しの発言で彼氏を責める。そんな彼女を冷ややかに見つめ、「今日こそ終わりにしよう」と疲れた顔の男。よくある別れの場面・・・、しかし!そこに突如として何故か"ミラーボール”が飛んでくる!顔面にヒットして鼻血を出す女。ヒットした直後の男の考えを引用する。

 ・・・ミラーボールだ!!なんで!?ビッチにはお似合いだ・・・ パーティーだ・・・
 いやこれは・・・ す・・・すごいぞ!
 滑稽を通り越して美しいじゃないか・・・・・・!
 ・・・・・・ん?なんだろうこの手の動きは・・・・・・
 ・・・すがるとも違う・・・


そう、ミラーボールは男の背後から飛んできたので女からはよく見えていた。当たる寸前、女は男の方に手を差し出してこう呟いていたのだ! 

マーくんあぶない・・・・・・(ポソ


こんなこと言われちゃうと、また可愛くなっちゃうよねー(笑)こうして2人はめでたく元の鞘に収まりましたとさ・・・。

[Part2]自分が4つの掌編の中で最も好きだったもの。マンションの一室で椅子に座り脚を組む女性とその前で跪く男子中学生。もうこの説明だけで、変態エロチシズムを感じずにはいられないと思うが、高飛車に振舞う女に翻弄させられる男子中学生。男子中学生は何度か女性の部屋に訪れては、彼女に告白をしていく。大人の女の余裕でいつも「UFOが墜落するくらいあなたと付き合うことはあり得ないわ」とあしらっていたがこの日はなんとそれが起こった。窓の外を輝くものが通り過ぎていったのだ!もちろんこれは”ミラーボール”だったのだが、カーテンを引いた室内にいた2人にはもちろんそれは分からなかった。突然の事に驚く2人。思わず相手のはだしの足のくるぶしちょっと上あたりをつかんでしまう男子中学生!その行動に仮面が外れ赤面する昭和56年生まれの女!かぁー!たまらん!男が年下の年の差カップルってイイよね!

[Part3]このパートのカップルは結婚して倦怠期が訪れ始めた夫婦。夫は仕事仕事で家庭を顧みず、嫁に手を触れさえしない、会話にもあの頃の輝かしさは無い。でも夫の事は好いている・・・。そんな彼女が仕事に疲れ遅くに帰ってきた彼に放った一言は、「手っていうか、チ●ポ握らせろ」だった。もうここだけで爆笑ものなのだが、言われた夫はたまったもんじゃない。そりゃそうだ、貞淑を装っていた嫁に突然チン●握らせろと言われて驚かない夫はたぶんいない。呆然とただ聞き返す夫に開き直った嫁はもうチ●ポ握らせろやらセックスしたいと欲望を吐き出しまくる。(個人的な感想なんだけど、セックスに積極的な嫁って超萌えるね・・・ッ!)そんな嫁に恥ずかしさもあってか怒り心頭の夫。曰く、「きみはなんでそうムードがないんだ!」。しかし言い終わる前に喰い気味で嫁が普段から、私がどのようにムードを作ってきたかをぶっちゃける。亜鉛とマカを黙って服用させてたことにまたも爆笑してしまった。電気も付けずに言い争う2人、チ●ポなんて初めて言った、それほどあなたとセックスしたい!でも夫はやっぱり男にありがちなプライドが邪魔する。このまま平行線をたどるかと思われた議論のさなか、突如、部屋に光がきらめく!ご察しの通り”ミラーボール”が窓の外をブッ飛んで行ったのだが、それを知らない2人は、「いま君が輝いて見えた!」「あなたは後光が差して見えたわ!」となんかいい感じの雰囲気になり、おそらくこの後ドッキング。おそらくチ●ポって口に出して言う嫁というのが書きたかっただけじゃないのかと思わされるこの作品。爽やかないい笑いを提供してくれる。

[Part4]4つの掌編の最後を飾るこの作品。主人公は「夢・・・追いてぇんだ・・・」とぬかす、アフロで誰がどう見ても駄目男と同棲することになったが、家を決めてからフラれたすごくなんだか哀れな感じの女。もともと養うつもりだったのか家賃に不安は無い。しかしパーティーピープルな彼氏がつけていった”ミラーボール”を見て今更途方に暮れる。「これじゃ友達も呼べないな・・・」と自嘲気味に呟き部屋を横切ろうとしたその時、引っ越し直後で雑然としている床に落ちていたミラーボール用のリモコンを踏んでしまう。スイッチの入るミラーボール、燦然と輝く部屋、あの時彼氏が言った言葉。いろんなものが急に頭の中を駆け巡ったせいで、てんやわんやになってしまった彼女は奇声を発しつつミラーボールを天井からはずし、窓から大遠投する!これがパート1から3までの物語に出てきたミラーボールであった・・・。

 ギャグテイストの強い短編だが、『ドントクライ、ガール』でのあのテンポのいい馬鹿エロをまぜたギャグが効いていて声に出して笑ってしまうほど面白かった。ツイッターでヤマシタトモコさんが呟いてるのを見てたら結構これが地なんじゃないかと思えてくる。

・「エボニー・オリーブ」
今作の最後を飾るこの作品。どんな粗筋かというと、あとがきにも書いてある通り”グータンヌーボ的なガールズトーク”である。おそらく、このサイトを見てくれている諸氏の中には「何が、ガールズトークだっ!まず自分のツラを鏡で拝んでこい!馬鹿野郎!」とお思いになられる方が多いであろう。というか何を隠そう私がそうである。「いい年こいて何が”ガール”だ馬鹿野郎この野郎!お前は深めの肥溜めに肩までつかってろ!」とテレビに向かって毒づく私がなぜこの短編をチョイスしたか。それは上手に説明できないが、心にスーッと沁み込んでくるような働く女性の本音、「女だってたくましく生きてるんだ、こんちくしょー!」という風に感じたからである。
 普段テレビで放送している愚にもつかない女性本位の番組は、やはりテレビだし本音で語っていないようにいつも思う。だから”生の声”が伝わってこない。結果、ケツ拭く紙より役に立たない空疎な会話になっている。自分はそれが嫌だったんだなと気付かせてくれたのがこの作品。漫画の中の3人は本当に親友でキツイ言葉でも間柄は決して崩れない。その3人の中でも、こう言っては悪いが一番”平凡”な女性にスポットを当てて話は進んでいく。ある日、彼女は憧れていた男性に今度一緒にご飯食べませんか?と聞く。すると「彼女いてもいーなら」と男性の自分からもフォローできない最低の返事を貰う。以下、物凄く自分の心に響いたので一部引用させて貰う。

 べつにひとりでも生きてゆける
 でもさみしい
 できることなら愛されたい
―――(中略、様々な条件が提示される)―――
 そういう恋人に労せずして愛されたい・・・


この後の彼女のセリフが秀逸なのだが、それは買ってのお楽しみということで・・・。
 そして、いつも通り、いつもの店で、いつもの3人とご飯とお酒を楽しみながら、愚痴に花を咲かせつつ夜は更けるのであった・・・。


 さて、『ミラーボール・フラッシング・マジック』の中から3つの短編を選んで紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?今後とも当ブログではヤマシタトモコさんを推していきたいと思います(BLは勘弁w)。それでは、また次の日記で...!

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