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SF的ガジェットや科学技術を知って楽しもう!今井哲也『ぼくらのよあけ』

2011年07月15日
 さて今夏も暑くなってきましたね。毎日のように気温は30度を超え熱帯夜が続いていますが、みなさん元気ですか?私はちょっとバテ気味です。にしてもこう節電節電と騒がれると逆に節電したくなくなってくるアマノジャク的気質が蠢くのですが電気代のことを考えて自制しています。さてそんなことは置いておいて、今回も漫画のレビューと行ってみますか!

・今井哲也『ぼくらのよあけ(1)』

2010年、地球に"SHⅢ・アールヴィル彗星"が接近した。
時は流れ2038年、夏。小学生の沢渡ゆうまは、地球外から来た知的存在と接触する。
そいつは28年前の彗星のときに地球に降りて、故障したまま動けなくなっていた"宇宙船"――――
夏休みの課題は決まった。こいつを宇宙に帰すんだ。

 月刊アフタヌーンにて連載されているこの作品は、小学生の日常風景や夏の暑さ、科学技術の発展した社会を見事に描いているのもさることながら、それに加えて私はこの作品に出てくるSFガジェットや科学技術に凄い魅力があると思うのです!
 なので、今回のレビューは漫画の内容にはあまり触れず、作中に出てくるそれらSFガジェットに科学技術を簡単に説明してより理解を深める助けとする、もしくはこの漫画に興味を持ってもらう事を目的としています。
 というわけで早速始めていきましょう。

1.彗星
 「いきなり地味だな」とお思いになられるかもしれませんが、彗星と隕石の違いを明確に知っている人って意外に少ないと思うので一応説明しておきたいと思います。
 太陽系の海王星軌道より外側にある小惑星(自己重力でほぼ球形になれるほど大きいが惑星には及ばないもの、それよりもさらに小さな天体の総称)が多数存在する領域があり、その領域のことを太陽系外縁天体もしくはエッジワースカイパーベルト天体と呼びます。特に海王星軌道から40AU(1AU=約1億5千万㎞、地球と太陽の間の距離)付近までに集中している小惑星を外縁部小惑星、この領域を外縁部小惑星帯と呼びます。彗星はこの外縁部小惑星帯をぐるぐる回っていた小惑星が惑星の重力に軌道を曲げられて太陽の近くまで到達することで、その構成物質である塵や氷が揮発してガスとなりそれが光って見える現象のことを言います。ちなみに隕石は、火星軌道と木星軌道の間にあるメインベルトと呼ばれる小惑星帯にある小惑星の内、軌道がたまたま地球軌道と交わっていものが、地球と衝突して地表まで達したもののことを言います。構成物質は主に鉄かコンドリュールと呼ばれるケイ酸塩鉱物から成り立っており、彗星とは由来も成分も違うんですね。
(※簡潔に述べているので例外のことや詳しいことは省いてあります。もっと詳しく知りたい方はご自分で調べて下さい)

2.空間投影ディスプレイ
 やっとSFっぽい話題が(笑)空間投影ディスプレイとは読んで字のごとく"空間にディスプレイやウィンドウを投影する"技術のことである、おわり。・・・では余りにもアレなので私が思いついた分かりやすい例をいくつか紹介しますので「あ~、なるほどアレのことね」と思って頂けたら幸いです。
 まず初めに思いついたのがアニメ『電脳コイル』『攻殻機動隊』の世界。前者は"電脳メガネ"と呼ばれる眼鏡型ウェアラブルコンピュータを使って、後者は目をサイボーグ化するかいっそ全身を義体化することによって、視界にウィンドウや支援AIを表示させますが、これはAR(Augmented Reality)技術なので今作『ぼくらのよあけ』に出てくる空間投影ディスプレイとはまた違ったものです。AR技術は現実世界でもiPhoneのアプリ"セカイカメラ"で実現されていますね。
 次に思いついたのが、スティーブン・スピルバーグがメガホンを取ったフィリップ・K・ディック原作映画『マイノリティー・リポート』に出てくるガジェット。透明のディスプレイに専用のメモリーカードを差し込み、映像を直観的に操作できるユーザーインターフェースをもったディスプレイが出てきましたよね。専用のグローブを使ってクイックイッと映像を巻き戻したり拡大する映像が未来的でカッコよかった。この映画の話は置いておいてこの"ウィンドウを投影するための透明のディスプレイを使う"というのも『ぼくらのよあけ』で使われる空間投影ディスプレイとは違っています。では、どれが合致するのか?それはおそらくですが(作中でも詳しい技術は紹介されていない)、同映画でトム・クルーズ演じるジョン・アンダートンが自室で行方不明になってしまった自分の子供の過去の映像を見る時使われた技術と同じではないかと推測しています。つまり室内にいくつかのプロジェクターを設置することでディスプレイが無くても空間に映像を3次元的に投影することができるという技術。しかしこの技術はパッと思いついただけでも、空気のゆらぎやプロジェクターの射線にものを置けないなどのデメリットがあり現実的ではない様に思えます。
 他にも光っている棒を高速で動かすことによって残像を残すというやり方などが考えられますが、ここまで長く語ってきた割に『ぼくらのよあけ』の中で使われている空間投影ディスプレイがどのような原理なのかは描写を省いているので謎です。漫画は視覚のエンターテインメントなので、わざわざどのような原理かを描くとウザったくなったり絵が狭くなっちゃうから省いてるだけだと思いますけどね。

3.オートボット
 ようやく作中独自のSFガジェットの話となります。作中のオートボットに関する解説を一部引用すると、

最新鋭の人工知能を搭載した家庭用アンドロイド。
人間との会話を積み重ねることで行動パターンを学習し、持ち主一人一人の生活スタイルに合わせた様々なサービスを提供します。
あらゆる機械の操作を人間に替わって行い、家事経営をスマートに管理するオートボットは次世代の情報家電として人々の生活そのものを変えたと言われました。

とある。ちなみにアンドロイドというのは機械ベースの人型ロボット、サイボーグは人間が体の一部あるいは全体を機械化したもの、バイオロイドはバイオテクノロジーで作られた人間のことを指します。アンドロイドは外見が雄型のときに使い、雌型はガイノイドなんて呼んだりもします。
ちなみにこの漫画の主人公が使っているオートボット・ナナコの外見はこんな感じ↓
ぼくらのよあけ、ナナコ01
作中の表現から、電動であること、人間でいう所の表情筋のようなものを動かして表情を作っていること、胴体部についている2本の黒い筋は内腕で空間投影されたディスプレイを操作する際に使用し本体下部に浮遊しているのは力仕事をする際の外腕でだいたい10kgくらいの力が加わると本体から外れるらしいこと、処理能力の限界に達すると自動的に再起動がかかり地面に受け身無しで落下することなどが分かる。また後ろはこうなっている↓
ぼくらのよあけ、ナナコ03
いかにも中にコイルが入っていそうな角が上に2本、コネクタっぽいのが真ん中に1つ、浮遊して動く際に使用するのであろう角が下に2本生えている。
 このオートボット、作中には他のタイプも出ているのだが、共通しているのは浮遊しているという事。外腕と本体は電磁力でつながっているとして、本体は何故浮かんでいるのか?何かを噴射しているわけでも無いし、未来の世界は地面の至る所に電磁石でも敷設してるのですかね?謎です。まぁ、ナナコちゃんが凄くけなげ(プログラムに従っているだけなんですが)で確実にゴーストを感じさせて可愛いからなんでもいいんですけどね!あれだ、不思議力。不思議力で浮かんでるんですよ。ワンピースだって島が浮いてたでしょう。それと同じです。


 と、ここまでSFガジェットと科学知識を合わせて3つ紹介したわけですが、作中には他にも、水分子全体をコンピュータとして使う技術(これは私の知識では手に負えないのであえて飛ばしました)があったり、教科書がフレキシブルな素材を用いた電子教科書になっていたり、携帯がもはや電話としてよりも現在のスマートフォン以上のものになっていたりと、久しぶりにストレートなSF漫画が来たなと大変楽しく読むことができました。
 しかし、今回のエントリで説明したことなんて知らなくても充分に楽しめる、というか本質は主人公たち小学生の活躍、子供だからブチ当たる壁、子供だから乗り越えられる壁がストーリーの中心になっていますので「SFはちょっと・・・」と思ったあなたでも大丈夫です。二転三転しますが信用して下さい!



というわけで、今回のレビューはここまで。何か間違っている所やここはこうじゃない?という所があったら教えてください。それではまた次の記事で...!
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