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市川春子『宝石の国』を君はもう読んだか?

2013年09月30日
市川春子という才能を見逃していないか?
もし見逃しているなら、断言しよう。
漫画ファンとして損をしている、と。


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カップルが2組いれば4通りの恋がある。『楽園 Le Paradis vol.8』を読もう!

2012年03月15日
 ずいぶんお久しぶりの更新になってしまいました。この2~3カ月いろいろな事がありまして、モチベーションがどうしても上がらなかったのです。Twitterのほうでは簡易感想なんかを呟いておりますので、フォローして頂けると幸いです。

『楽園 Le Paradis vol.8』
 久々の更新ネタは、拙ブログでは定番のコンテンツとなりつつある『楽園 Le Pardis』の感想です!掲載されている全ての漫画のレビューを書く元気はないので、とりあえず、3つほど、特にわたしが気にいっている作品をピックアップしてレビューしたいと思います!それでは、ご覧あそばし!

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今号も人気漫画家が勢ぞろい!『楽園 Le Paradis 第7号』を読もう!

2011年12月12日
 さて、もう十二月も半ば、来年まであと半年になりましたね!いやぁー、今年一年を振り返ってみると、…特に何も思い浮かばないですねー!俺ってば、ほんとバカ。
 というわけで、十月三十一日発売から一カ月以上を経ていますが、今回紹介する漫画はこれだ!

・『楽園 Le Paradis 第7号』
 「おせーよ!」との声援ありがとうございます。しかし、一応このサイトでは毎号とり上げているのでもったいないなぁなんて思いまして、更新させて頂きます。

 第7号に参加している漫画家+イラストレイターは二十八人にのぼり、今号には久しぶりに林家志弦さんの作品も掲載されています。宇仁田ゆみ、中村明日美子、沙村広明、鶴田謙二、あさりよしとお、二宮ひかる、など有名漫画家から、鋭気溢れる新鋭漫画家まで相変わらず幅広い人材とジャンルを登用している所が『楽園』のエネルギッシュさを支えているのかもしれないですね。さて、それではその中からいくつか作品をピックアップして紹介していきたいと思います。

 表紙は引き続きシギサワカヤさん。三十歳すぎくらいでしょうか?膝の上で組まれた黒いストッキングで包まれた足からは、普段スカートで隠されている太ももが奥までチラリと見えて煽情的です。軽く頬に赤みが差しているので、電話の相手は恋人でしょうか?背景を観察するとおそらく勤め先にいることが分かります。
職場では真面目、悪く言うと”お固い”で通っていそうな大人の女性が、恋人の声が聞きたくて休憩時間に電話するなんてストーリーが浮かび上がってきますね!

・仙石寛子「夜毎の指先」
 この漫画は、姉と弟との近親相姦をテーマに扱ったものです。近親相姦、絶対のタブーとして世間では扱われているイケない関係。古代から世界各地で実際に行われていながら、遺伝的な問題、社会倫理の問題によって避けるべきもの、かつ侮蔑されるものとして扱われてきたことは周知の通りでしょう。しかし、イケない関係というのは人の性的興味の矛先として向けられるものであり、エロ漫画・官能小説の題材として不朽の地位を獲得している事もまた事実であります。

 さて前置きが長くなりましたが、「夜毎の指先」に話を戻しましょう。
 
 二人の関係は両親のいない夜に始まります。姉は弟がソファで眠っている時にそっと口付けし、目を覚ました弟に家族だから大事だと思う気持ちとは違う、恋心の好きという気持ちを抱き続けていたことを告白しはらはらと涙を流します。それに対して弟は、自分も姉の事を大事に思っている、しかし傷つけることになりはしないかと心配だと危惧しながらも、目の前で涙を流す姉の髪にそっと手を触れます。告白されたのは自分の方なのに、震える姉を見てもっとこの人に触れたいと、直接的描写はありませんが、一線を越える...、というのが第1話のあらすじ。

 今号、つまり第2話では第1話の夜を越えた、ある日の二人が描かれます。第1話と同様に、背景を全くと言っていいほど描かずに、コマを黒く塗りつぶす、もしくは真っ白なコマにセリフだけが乗っているのが非常に示唆的です。とても目立つ黒く塗りつぶされたコマはつまり罪の隠喩で二人の関係を表すものでしょう。そして、真っ白な背景に書かれたセリフは二人の関係を止めにしたいという気持ちを示したものが多く、洗い流したい欲求を表していると考えられます。

 しかし、上記の事柄は姉側の意見のあらわれであり、むしろ弟は「好きだ」と告白されてから姉の事を女として意識するようになり、関係を続けたい、もっと姉の事を知りたいという思惑に沿って行動します。すると当然、二人の意見は真っ向から対立することになり、想いを伝えられて初めて自分が何を欲しているかを悟った弟からしてみれば満足いく結果を得られず、もやもやとした感情を胸に抱くことになります。その結果、弟はモノローグで姉の事を”この人”と呼び、少し距離が出来てしまったことが分かります。

 アンビバレンツな想いが生まれたとき、そしてそれを相手に知らせてしまった時、どのように行動すればいいのか?共通の答えはおそらく存在しないでしょう。離別、心中、家出、初めからなかったことのように振舞う、色々と選択肢はありますが、この漫画がどういった道を通り二人なりの結論に達するのか目が離せない作品であります。

・志摩時緒『あまあま』
 同じ高校に通う宮本祐司と原美咲の二人は他の生徒にはバレ無いように付き合っている。美咲は美人として回りからの評判も高く、古くさい言い方をするとマドンナ的存在である。一方、宮本の方はというと特に目立たずかといって周りから空気扱いされているわけでもないフツーの男子高校生である、というのがだいたいの設定。

 今号から読み始めた人でも「あまあま」というタイトルが示す通り、初々しい高校生カップルが読んでるこっちがこっ恥ずかしくなるような甘ーっい恋愛模様を繰り広げているのを、悶絶しながら読むもよし、過去の自分を呪いながら読むもよし、世を儚みながら読むもよしなのでご安心を。

 ここまで紹介しておいて何なのですが、個人的にこの漫画は好きじゃありません。そのあたりの理由をここでは書いていきますので、興味のない方は飛ばして下さい。

 まず、最初の理由として挙げられるのが、”パターン化しすぎている”ことです。パターン化しているので”こうきたら、こうくる”というのが前もって読めてしまうんですよね。第6話にしてすでにマンネリ化していて、数ある高校生カップルもの漫画との差異が見当たりません。秘密の関係といっても、異性間カップルであって、特にやましい事もしていない。中学生のころから付き合っているので、二人の関係に初々しさも無い。では、どのように特色を出していくか?どのように他の漫画との差異を出していくか?という所が作家の腕の見せどころのはずなのに、結局は「秘密にしているが故に他の生徒に嫉妬する」「二人の関係がいつしか深まっているのを逢えない期間が出来て初めて気付いた」というありきたりなものに...。そもそも、この「あまあま」が連載される前から水谷フーカ「14歳の恋」が連載されていたのに、どうして似たようなテーマを連載させたのか編集の意図も不明です。
 次の理由として挙げられるのは、最初の理由とも相関関係にあるのですが、”四コマ漫画の体をとっているのにオチが弱い”ことです。そもそもあえて四コマを選んだはずなのに、個々の四コマにタイトルもつけずダラダラと前の四コマの続きを次で続けていくのなら、普通のコマ割りでよかったんじゃないでしょうか?起承転結は一応付いていますが、最も大事な結びのコマ、つまりオチが弱くなるのはこれが理由でしょう。示唆的なコマもありますが、「夜毎の指先」とは違い、こうするのがお決まりだよねという意思によって描かれているとしか思えません。

 以上、2つの理由から私はこの作品が好きではありませんが、他の人がどう感じるかは分からないので、もし単なる誹謗中傷意外に意見がある人がいらっしゃいましたら、コメント欄なりTwitterの方なりで、ご意見頂戴出来ると幸いです。

 第7号では他にも、男女二人の不倫関係を女性のモノローグで印象的に語るシギサワカヤ『未必の恋』、大人びたい女子中学生と年相応の男子中学生が不思議な縁からデートすることになった中村明日美子『金曜日の遠足』、個人的に今一番お勧めの百合漫画である西UKO『コレクターズ』、ギャグと百合を混ぜた林家志弦『ハート・クッカー』などなど面白い漫画がてんこもりなので、今回はちょっとネガティブな紹介記事になってしまいましたが、『楽園』自体は本当に面白い漫画雑誌なのでたくさんの人に読んでもらいたいと思っています。


 というわけで、今回はここまで。またお会いしましょう!アディオス・アミーゴ!
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最初の一歩は怖いけど、友達がいるから大丈夫!ヤマシタトモコ『BUTTER!!!(3)』を読もう!

2011年08月31日
 台風が接近しているせいか風が物凄く強いですね。9月3日、4日と日本SF大会が静岡で開催されるのですが、大丈夫なんでしょうか?モロに直撃コースを辿っているような…。まぁ、屋内のイベントですし大丈夫でしょう!
 というわけで、9月最初の更新です。誰か褒めて下さい!嘘です。もうちょっと更新を頻繁にできるように頑張りますです。押忍。

ヤマシタトモコ『BUTTER!!!(3)』
 もはやこのブログではお馴染みのヤマシタトモコさんによる青春群像漫画『BUTTER!!!』のレビューです。前回の記事はここを参考にして下さい。だいたい1巻と2巻の最初あたりに触れています。
 というわけで3巻です。人気も順調に獲得しているようで、ファンとしては嬉しい限り。読み切りなどで大人の恋を描いた漫画も面白いのですが、『BUTTER!!!』は、描いていて楽しいんだろうなというのと、ヤマシタさんがどんな事を伝えたい・読みとって欲しいかが如実に表れていて、読んでいてこちらまで楽しくなってくるような漫画に仕上がっています。
 さて、そういうわけで3巻ですが、3巻の見どころは何と言っても、柘百合子こと”げっつ”が自分の殻を破り、頑張ることを決めた所です!背が高く、グラマーな彼女は自分の外見にコンプレックスを持っており、普段の生活では猫背で内股、さらに前髪で顔を隠し眼鏡も小学生のころから使っている洒落っ気の全くないものを使ってなるべく目立たない様に目立たない様に生きてきました。でも高校生になって自分を変えてみようと思い、社交ダンス部に入ったのはいいけれど、やはりコンプレックスというものは部活内ではかなり打ち解けていても、そう簡単に治るものではありません。
 そんな中、ちょっとした事件が起こります。部活仲間と帰校中、柘さんの事を中学の時から好きだった他校の男子が待ち伏せして柘さんに告白しようとするのです。でも柘さんは、中学の時にその男子から嫌な事を言われた記憶しか持っていない、加えてそのことが少しトラウマになっているんですね。一応フォローしておくとその男子も本心から言ったわけではない、逆に柘さんの事が好きだから意地悪してしまった、よくある若さゆえの過ちだったのですが…。でも彼が言った言葉は彼女を傷つけた。もう柘さんは顔だって見たくないほどその男子の事を嫌いになっていた。
 逃げるようにしてその場を立ち去った柘さん。前向きに考えていた文化祭の企画も自分は裏方に回して欲しいと部長に願い出て、開きかけた扉を自ら閉じてまた岩戸の中に籠ろうとします。しかしそこで柘さんにとってのアメノウズメとなったのは元気印で友達思いの夏ちゃんでした。夏ちゃんだってつい先日まで目立つ行動を取るのが苦手だったのを何とか克服したばかり。だから、まだまだたどたどしくて上手に気持ちを伝えられないけれど、夏ちゃんは自分の”気持ち”をこう伝えます。

(生活指導の先生に髪のことでイチャモンをつけられ仕方なく女子トイレで髪を結いあげてもらった後、クラスメイトから戦えよと励まされる)
夏「……「戦え」だって」
柘「……やだよ」
夏「……あ あたし… は …自分の好きなものを嫌いって言われると悲しいし悔しい」
 「あたしは好きだし あたしのセンスだもん 自分の好きなもの 人も好きだと嬉しい」
 「げっつのつらさはあたしにはわかんないよ わかんないけど――――」
 「あ あたしはもっと大人っぽい外見がよかったし!なりたいし!」
柘「そんなの…」
夏「…げっつがさ!自分のこと嫌いって言うと!そ…それを好きなあたしの事も否定してんじゃん!やだよ!!!
 「あ あたしは好きなのに…!
 「げっつのバーーーカ!!!逃げ虫ー!!!

 友達に対して面と向かって思ってる事をストレートにぶつけることって凄く難しいし、とっても恥ずかしい。ましてや高校生なんだから、なおさらです。でも夏ちゃんは顔を真っ赤にしながら上記の内容の事を半ば最後は叫びながら伝えます。だって”げっつ”にも、フツーじゃないってサイコーだという事を知って欲しいから!僕なんかは、もうこのシーンで目頭が熱くなってしまいました。
 そして顔の線が隠れないような髪の結い上げをしてもらった柘さんは鏡を見て、決心します。でもやっぱり怖い。それはそうです。戦う事を決意しても怖いものは怖い。今まで隠してきた期間が長ければ長いほど、その怖さは大きいでしょう。そんな最後の一歩を躊躇していた柘さんの背中を押したのは以外にも、端場くんでした。男子トイレに行く途中だった端場くんは、中学の時の彼を軽く虐めていた調本人に「おっ 高校デビュー君(プッ」と冷やかされます。仲間が侮辱されたことでカチンとなって何か言ってやろうと口を開きかけた瞬間、端場くんがこう叫び返します。

わ わ わりーか!うるせーー じゃますんじゃね ねーーよ!!!

 どもってるし啖呵としては迫力に足りないけど、こんなこと言えるのは素晴らしい進歩です。だってこの間までは頑張ることってダサいと勘違いしてたんですから!端場くんはちゃんと前を向いて進んでることに励まされた柘さんは、最後の一歩をこうして踏み出したのでした…。

 いやー…、熱い!熱いよ!こんな部活にかける青春も送ってみたかったなぁ~。読んでいて励まされるし元気をもらえる、『BUTTER!!!』はホントに良い漫画です!あとやっぱり、頑張ってる人を見るのは気持ち良いですね!元気を貰える。明日も生きていけそうな、そんな気分にさせてくれますから。
 ちなみに、ここまでが前半部分で、3巻の後半は宝塚大好きイケメンリア充くんこと掛井涼くんが一皮むける話なんですが、まぁいいよね?男だし。イケメンだし。あと、イケメンだし


あ、一応げっつのビフォア―アフター貼っておきますね!
BUTTER!!!_01

べ、別人じゃねーか!!!結婚を前提にお付き合いして下さい!!!(←ほんと男子っていったいどこ見てたのかしら?サイテー!)

 さて、というわけでいかがだったでしょうか?いや~、漫画ってホントにいいものですね!それでは、次の更新でまたお会いしましょう。さよなら、さよなら、さよなら!


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綺麗な屍体のお姉さんは好きですか?熊倉隆敏『ネクログ』を読もう!

2011年08月28日
 残暑厳しい中、皆さんいかがお過ごしでしょうか?先日、私も話題のゲリラ豪雨に遭遇致しまして、「何だよ。目的地に辿りつけないじゃん!」とブーたれてたのですが、雨でぐしょぐしょに濡れたセーラー服を着た女子高生5人組がキャーキャー言いながらスカートや靴下を絞ってるのを見たら、もう全てが報われた気がしました。いいですね…、なんかもう透けちゃったりしてて…、フフフ。
 さて、そんな幸せな場面に遭遇するなら夏も悪くないなと思ったので更新しまーす。

・熊倉隆敏『ネクログ』
 アフタヌーンに連載されていた『もっけ』は、民俗学の知識に裏打ちされた日本の妖怪や呪いと、霊媒体質の姉妹の成長物語を時にユーモアを交えて真正面から描いた傑作だったが、今作で熊倉氏が描くのはチャイニーズゾンビ、つまりキョンシーの話である。
 舞台は中国。時代はおそらく19世紀後半。田舎の地主の息子である主人公の宋玉生(ソン・ユーシェン)にはほのかな恋心を抱く憧れのお姐さん薛(シュエ)がいたのだが、家庭の事情により富豪の家に嫁ぐことになってしまう。しかし、婚礼の最中を狙った賊に襲われてシュエは誘拐され、その後行方不明となってしまう。時は流れ、大人になったソンはしがないフリーの物書きとして働いていたが、ある時、行方不明になったはずのシュエと偶然再会する。けれども、シュエは当の昔に死んでおり、胡才良(フー・ツァイリャン)と名乗る道士が操るキョンシーとなっていた。これを哀れに思ったソンは反魂の術でシュエの魂を冥界から呼び寄せる術を身につけるためフーの弟子になることを決意するのだが...、というのが大まかなストーリー。
 もうこれが本当に面白い!というわけで、どこが特に面白かったかを2つ挙げてみよう。どのような漫画なのかが少しでも伝われば幸いです。


1.仙術を使ったバトルが凄い!
仙術とは簡単に言えば中国版魔法みたいなもので、道教の道士が仙人になるための修行の最中に覚えなければいけない様々な術のことである。フジリューの『封神演義』では主に宝具(パオペエ)を使ってバトルをしていたが、『ネクログ』ではもっと、いかにも仙術らしい方法で闘うのである。キョンシーである白杏(パイシン、フーがシュエにつけた名前)も操り人形として闘うのだがこれが物凄く強い。相手が人間なら手刀で首を切断できるくらいのパワーがある。まさにキリングマシーン!そしてフーもかなりの仙術の使い手で(一時期、太上老君に師事していた事もある)、道士の間での闘いはまさに奇奇怪怪なものとなっている。ゴーレムを召喚したり、相手が幾本もの鋭い槍で攻撃してきたら体を泥上にしてスルリと貫かせ、触手で捕縛されたら水になって抜け出す。そういった一連のバトルは、まさに仙術を使った闘いのイメージそのものでカッコいいのだ!
ちなみに・・・
ネクログ_02
普段はこんなに可愛らしいシュエ姐さん(※屍体です)も、いざ戦闘になると・・・
ネクログ_01
敵の首を手刀でザクーッ!

2.様々な思惑の絡んだストーリーに惹き込まれる!
 前述の通り、ソンはシュエのことを不憫に思い反魂の術をフーから学んで、現世にシュエを戻してあげようという思いからフーに師事しているが、フーがなぜソンを弟子にしたのは情にほだされたからではない。実はフーは、冥界からの頼みで、鬼録(生者がいつ死ぬかが書かれている記録帳)の不手際、つまり死ぬべき人間が死んでいないのを隠すために冥吏(道教版死神)の手伝いをしているのだ。フーが担当しているのは主に仙術を悪い事に使っている道士が相手のようだが、フーも善意から手伝っているわけではない。フーの首には首輪が太上老君によりかけられており、本当の自分の力を発揮できない様にされている。この首輪を外したいフーは冥吏の使いっ走りをして冥界の最高神である泰山府君に老君への口添えをして貰おうというわけなのである。なので物書きで情報通でもあるソンは手元に置いておくと便利なのだ。
 そして1巻の最後で出てきた道士の菅橙子(チェン・チョンツ)。フーとは随分昔から知り合いの様で、下界に降りてきたばかりのフーをもてなしてやったりもしたそうで師匠風を吹かせている。しかしチェンはフーが冥吏の使いをやっている事が気に喰わないらしく、太上老君の元にフーを連れ戻そうとする。このチェンがまたお騒がせ者で、フーと道術比べをしたり、ソンをフーの所から追いやろうとしたりと勝手気ままに行動する。しかし根の所ではフーの事を心配しているようだ。

ネクログ_03
童女のような外見だが、彼(彼女)に性別・種族は関係ないので注意だ!
 そして2巻では、師の仇を討つために行脚をしている道士見習いの蘇秀梅(スー・シウメイ)が出てくるのだが、これがまたドジっ子で可愛らしくて健気で、まだまだ腕は半人前の恥ずかしがり屋だが、基本的に困っている人は見捨てておけない善人なので、悪鬼と悪行渦まく『ネクログ』の世界の癒しとなっている。今後彼女の兄弟弟子も出てきそうなのでまだまだ目が離せない人物である。
ネクログ_04
まだまだ修行中だが、雷を落とす術を使う。ちなみに語尾は”だっちゃ”ではない。

 というわけで、おおまかに2つの『ネクログ』の面白い所を紹介してみたが、いかがだったろうか?この漫画は本当にお薦め!まだ2巻しか出ていないので、謎の部分も多いが『もっけ』に引き続き、とても深い知識を元に漫画を描かれているのがヒシヒシと伝わってくる良い漫画なので、ゾンビファンは言わずもがな、ひいてはホラーファンのみならず、みなさん是非読みましょう(でもグロテスクな描写があるので、そういうのが心底苦手な方は避けた方が賢明でしょう。少し嫌い程度なら大丈夫です、たぶん)!
 ちなみに2巻の巻末オマケでは今作をより楽しく読むための志怪(中国の六朝時代の小説)が紹介されていて、大変助かる。是非何冊かは読んでみたい。



 それではまた次の記事で...!
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